「ヨガと他のストレッチの違いは何?」と聞かれたら、私は「呼吸です!」と答えます。
前回お伝えしたとおり、ヨガの目標は「穏やかで満たされた心を養うこと」。そのために、ヨガでは「呼吸」をとても大切にしています。
今日は、ヨガを行う時の呼吸と、プラーナヤーマ(調気法)についてご紹介したいと思います。
(※内容はヨガスタジオぼっこのRYT200の講座内容、綿本彰先生の本を参考にさせていただいています。)
ヨガにおける基本の呼吸
ヨガを行う際の呼吸法には様々な種類があります。
完全呼吸、腹式呼吸、胸式呼吸、ウジャイ呼吸などなど…
ヨガを始めたばかりの人にとって、このような呼吸法を使い分けてヨガを行うのは至難の業。私もまだまだそれらの呼吸法を使いこなせていません。
ここでは、ヨガを始めた方が、呼吸について気を付けるポイントをお伝えしたいと思います。
ヨガをするときの基本的な呼吸のポイント!
① 鼻で呼吸を行う
② 呼吸を止めない
③ 「吸う」より「吐く」を意識する
④ 下腹部に意識を持つ
⑤ 気持ちのいい呼吸を行う
次に一つずつ簡単に解説していきます!
① 鼻で呼吸を行う
ヨガのポーズ中は、鼻から息を吸って鼻から息を吐くことが基本となります。
鼻から空気を取り込むと、鼻腔で外からの空気が浄化され、空気の量や湿度が調整されるため、質の高い呼吸が行えるとされています。また、口呼吸では喉を傷める可能性もあるため、鼻呼吸が推奨されます。
さらに、鼻での呼吸は集中力を高めるとも言われています。
② 呼吸を止めない
ヨガのポーズの最中は、呼吸を止めないよう注意しましょう。
難しいポーズ、より高い負荷を求められるポーズの時には、力んだり、ポーズに集中しすぎるあまり呼吸が止まってしまうことがよくあります。しかし、呼吸が止まるほどの動きは、体を傷める原因にもなります。
最初から無理はせず、呼吸を穏やかに続けられるくらいの負荷でポーズを行ってください。
③ 「吸う」より「吐く」を意識する
通常の呼吸では、吸った息の60%くらいしか、息を吐けていないと言われています。
息をしっかり吐くことで、要らなくなった空気(二酸化炭素)が体の外へ排出され、新鮮な空気(酸素)を取り入れやすくなります。しかし、息を吐き切ることは、意識をしないとなかなかできません。
息を吐き切ることに意識を向けることで、次の吸う息で十分に空気を取り込むことができ、次第に深い呼吸へと繋がっていきます。
④ 下腹部に意識を持つ
肩の力を抜き、下半身が安定し、背骨がまっすぐ伸びている姿勢において、呼吸に必要な横隔膜や肋間筋という筋肉の動きが良くなります。
お腹を膨らませて行う呼吸を腹式呼吸といいます。発声などでも使われる呼吸法なので、聞かれた方も多いかもしれません。腹式呼吸は、精神を落ち着かせる働きがあるため、リラックス効果のあるヨガのポーズの時に、その効果を高めると言われています。
⑤ 気持ちのいい呼吸を行う
呼吸に意識を向けつづけることは、エネルギーを使うものです。常に深い呼吸を行う必要はなく、自然な呼吸ができていれば、それで問題ありません。ポーズの途中で、意識的に深い呼吸に切り替えるなど、自分で呼吸がコントロールできるようになってきたらレベルアップ!
呼吸のコントロールは、ヨガを深めるためのとても重要なスキルです。まず始めは、気持ちのいい呼吸を続けることを意識していきましょう!
ヨガを深める…プラーナヤーマ(調気法)とは?
ここまで、ヨガにおける基本的な呼吸法についてお伝えしてきました。
このような、ヨガの呼吸法はヨガの長い歴史の中で培われたものです。ヨガ最古の教本ヨガスートラに出てくる言葉で、呼吸法のことを「プラーナヤーマ(※)」と書かれています。
※プラーナヤーマはヨガスートラに書かれているヨガの基本的な教え(ヨガ八支則)の一つ。
サンスクリット語で、「プラーナ=生命エネルギー」、「アーヤーマ=伸ばす」、という意味です。
呼吸は、プラーナ(生命エネルギー)を体内に取り込み循環させる、とても大切な役割を持っているとされています。呼吸の他にも、プラーナを取り入れる方法としては、質の良い食事、睡眠、自然とのふれあい、瞑想などが挙げられます。
ヨガの歴史は紀元前までさかのぼり、ヨガ哲学と呼ばれる考え方が背景にあります。ヨガの世界はとても奥深く、それらを理解することはとても時間を要するものです。
ヨガの入り口に立った私たちは、まずは呼吸の大切さを知り、気持ちのいい呼吸の実践を通して、ヨガの良さを日常生活に役立てていきたいですね!
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