呼吸の効果

ヨガ

前回は、ヨガをするときの呼吸法についてお伝えしました。

今回は、呼吸を意識するとどのような効果が得られるか、について説明をしていきたいと思います。

自律神経を整える

 自律神経は、私たちの内臓や血流などの身体の状態を自動で調節してくれる神経システムです。

そして、「呼吸器」は自律神経と運動神経の2つの神経支配を受ける珍しい器官。自律神経の支配を受けながら、自分自身でコントロールできるのは実は呼吸だけなんです

 強制的に呼吸をゆっくり行い、リラックスすることで自律神経が整い、自律神経によって調整されているほかの器官の状態も改善されます。

 深い呼吸は自律神経の一つである、副交感神経系を刺激し、ストレスを軽減し、リラクゼーションを促します。これが、ヨガがストレス管理や心身のリラクゼーションに効果的である理由の一つです。

心を整える

 ストレスの原因となる出来事があったとき、自分の頭の中でその出来事が離れない・・・そんな経験は、誰しもあるのではないでしょうか?

 そんな時、今自分がしている呼吸に意識を向けてみましょう。普段無意識に行っている呼吸に意識を向けることで、ストレスの原因から意識が離れて心が整います。

 深く意識的な呼吸は、酸素の供給を増やし、血流がよくし、内臓の働きを向上させ、消化や代謝が促進されます。ストレスの解消にもつながるでしょう。

代謝を高める

 呼吸によって新鮮な空気を取り込み、脳や全身の細胞をよみがえらせることができます。

 肺は4大排泄器官の一つとされており、深い呼吸によって不要な二酸化炭素を体外へ排出し、新鮮な空気(酸素)を体内に取り込みます。もし、上手に不要な空気が排出されないと、汚れた血液が体内をめぐることになってしまいます。

 呼吸を深めることで、体全体のめぐりをよくすることができるのです。

内臓をマッサージする

 内臓の働きをよくするためにマッサージできればいいのですが、内臓は体の中にあるため直接触れることができません。呼吸は、内臓と隣り合う筋肉と連動しているため、内臓のマッサージ効果を得ることができます。

 呼吸を行うと、肺の下にある横隔膜が上下します。意識的に呼吸を深く行い、横隔膜を上下させ、お腹を膨らませる腹式呼吸を行うと、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋に囲まれた内臓が刺激され、内臓のマッサージ効果を得ることができます

ヨガのポーズと呼吸を合わせて行うことで、瞑想状態へ

 ヨガの練習における呼吸の役割は、ポーズとの調和においても重要です。アーサナの実践中に呼吸を意識することで、ポーズの深さと安定性が増し、身体への負担を軽減します。呼吸と動きの連動は、ヴィンヤサ・ヨガのような流れるようなスタイルのヨガで特に重視され、動きと呼吸がシンクロすることで、瞑想的なフロー状態を実現します

「呼吸」を味方につけて、心身を整えていきましょう!

 呼吸はたくさんの良い影響を私たちにもたらしてくれます。

 ヨガの呼吸法は、身体的な健康の向上、精神的な安定、エネルギーの調整、そしてアーサナの効果を最大化するための重要なツールです。

 これらの呼吸法を日常生活に取り入れることで、より深いリラクゼーションと自己認識を得ることができ、心身のバランスを保つ助けとなります。

呼吸を味方につけて、自身の心身を整え、健やかな生活を送っていきましょう!

参考:綿本 彰 著「ヨガを楽しむ教科書」ナツメ社

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