足るを知る サントーシャ(八支則-ニヤマ)

ヨガ

前回はヨガスートラに書いてある、ヨガの八支則と、その中のニヤマについてご説明しました。

ヨガの八支則は、今のポーズ(アーサナ)が中心のヨガとは一見離れているようにも思えますが、ポーズの根源となるものの考え方です。ぜひ一緒に学びながら、ヨガを深めていきましょう!

今日は、ヨガ八支則の中の、ニヤマ(日々の生活の中で心を整える5つの原則)のうち、サントーシャ(知足)について、今回も密山礼巳さんの「読むヨガ」を参考に、私の経験も交えてご説明します。

サントーシャ(知足)とは?

サントーシャ(知足)は簡単に言うと「足るを知る」ということです。

「足ると知る」とは古代中国の思想家・老子の教えでもあり、足りていることに目を向けることです。

私たちは、ついつい周りと比べて自分にないものを欲しがろうとします。もしくは、「今自分が満足できないのは、○○が無いからだ。」と自分の負の感情の原因を足りないもののせいにしてしまいがちです。(私もまさにこの状態をずっと続けていました。)

実際には、私たちが今生きているのは、たくさんの人や自然や物のおかげです。毎日、食べられて、寝られて、安全に過ごすことができる。今の生活は足りているものが数えきれないくらいあります。

そんな、当たり前になっているものに意識を向けるために、1日1回、幸せに感じることを3つ書き出してみることをおすすめします。私も、人生のつらい時期に、自分を励ますために寝る前に3つよかったことを書くノートを作り、なんとか乗り越えることができました。

書くことはどんな小さなことでも構いません。お風呂が気持ちよかった!とか、いつものお菓子がおいしい♪とか。私が多いのは、少し自分ががんばったこと。「そうじができた」とか、「自分からあいさつができた」など・・・些細な事に「自分えらいぞ~!」と褒めてあげています。笑

サントーシャの効果

日常生活で、そのように「足るを知る」を実践していくことは、心の平和と安定のために効果がありあます。これは、現在の自分を肯定し、自分だけの幸せを見つける手助けとなります。

SNSやメディアなどで、他人の充実した生活の様子の情報がすぐ目に入ってしまう現代。自分と比べて落ち込んでしまったり、焦ってしまうことはありませんか?私はよくあります。笑

サントーシャの教えは、そのようなプレッシャーから解放してくれます。不必要に自分を焦らせるSNSから距離をおき、日々の小さな幸せに敏感になり、すでに満たされていることに気が付くことができます。日々感謝することが増えることで、心の中に穏やかさと幸せが広がるのです。

自分だけの幸せに気づく

サントーシャの実践は、ヨガの目的である心と体の調和を促進するために欠かせないものです。満足する心を育むことで、他者との比較から解放され、自己成長に集中できるようになります。

だれしもが、自分にしかない、自分だけの幸せがあります。ぜひ、サントーシャの実践を通して、自分が何をしている時が幸せなのかを考えなおし、日々の生活を一緒に充実させていきましょう♪

参考:綿本 彰 著「ヨガを楽しむ教科書」ナツメ社

密山 礼巳 著「読むヨガ」小学館

コメント