和名 クマタケラン
ショウガ科ハナミョウガ属
学名 alpinia x formosana K.Schum.
九州南部~沖縄の暖地の海岸に近い林下などに生育する、草丈1~2mの多年草。
ゲットウ、アオノクマタケランにとても似ているクマタケラン。
葉っぱだけでは、この3種類はなかなか見分けがつきません。
種子島で、6月上旬にこの3種類が同時に開花していて、はじめて見分けがつくようになってきました。
クマタケランはアオノクマタケランよりも花が少し大きく、花の軸は上向きに生えますが、途中で垂れ下がることが多いようです。
ゲットウ、アオノクマタケラン、クマタケランの見分け方
葉っぱだけでは、3種類を見分けることがとても難しかったのですが、
花の咲く時期になると、ようやくこの3種類を見分けることができました。
花の咲き方がゲットウ(左)は花の根本から垂れ下がります。アオノクマタケラン(中央)は花の軸が上に伸びて花を咲かせます。クマタケラン(右)は軸が途中から下にされ下がるように咲いています。
花の模様も少しずつ違います。
ゲットウは、花の内側(唇弁)が鮮やかな黄色があり、中央に紅条が入っています。
アオノクマタケランの花は上向きに蕾をつけ、唇弁には薄いピンクの筋が入っています。
クマタケランは、(写真では見えないですが。汗)唇弁がゲットウよりも薄い黄色を帯びていて、紅条があります。花の大きさは、ゲットウよりも小さく、アオノクマタケランより少し大きいです。
どれも香りが素晴らしい!
ゲットウ・クマタケラン・アオノクマタケランはどれも葉っぱからは爽やかな芳香が漂います。
クマタケランの葉っぱの香りは、ゲットウよりも少し強めに感じました。
植物の香りは揮発性の精油成分によるものです。ゲットウの精油成分はパラシメン、αーピネン、1.8シネオールなど。おそらく、ほかの2種類にも同様の精油成分が含まれていると想像します。
αーピネンは清涼感のある方向で、ヒノキや杉などに多く含まれる精油成分です。
αーピネンには生理的リラックス効果があると研究で分かってきています。
参考HP:国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所/木材由来のにおい成分α-ピネンは人をリラックスさせる (affrc.go.jp)
1.8シネオールは、ユーカリやローズマリーにも含まれる精油成分で、爽やかですっきりする香りが特徴です。こちらは抗炎症作用があると報告されています。
参考HP:精油成分の【1,8-シネオール】とは?芳香化学成分の特徴・安全性について | 研究員による環境に優しく安全な美容・健康法 (hi-rainbow.jp)
ぜひこの3種類の植物と出会い、葉っぱが採取できそうであれば、爽やかな香りを実際に嗅いでみてくださいね!
参考:山下智道 著「野草がハーブやスパイスに変わるとき」山と渓谷社
日本メディカルハーブ協会検定委員会 監修「ハーブ&ライフ検定テキスト」池田書店
コメント